滋賀県大津市にある「三井寺(園城寺)」は、天台寺門宗の総本山であり、国宝の金堂を始め、西国第十四番札所の観音堂、釈迦堂、唐院など多くの堂舎が建ち並び、百点を超える国宝や重要文化財、名庭があり、その中でも近江八景のひとつ「三井の晩鐘」が特に知られています。
また、桜や紅葉の名所でもありデートスポットとしてもおススメです。
三井寺は、天台寺門宗の総本山で、正式名称は長等山園城寺(おんじょうじ)と言います。
7世紀に大友与多王(よたのおおきみ)が、父の霊を弔うために寺を創建し、天武天皇から「園城」という寺号を与えられたことが、園城寺の始まりとされます。
境内に天智・天武・持統の三天皇の御産湯に用いられたとされる霊泉(井戸)があることから、「御井(みい)の寺」と称され、「三井寺」と呼ばれるようになりました。
長い歴史の間に幾多の焼き討ちに合うなどの災難に合いましたが、そのたびに再建され、現在の姿となっています。
境内の南東には、三井の晩鐘と呼ばれる巨大な梵鐘があります。慶長7年(1602)に造られたこの梵鐘は、日本三名鐘の一つといわれており、毎年除夜の鐘に使われ、趣深い音を響かせています。
また、三井寺にはもう一つ有名な鐘があります。霊鐘堂に安置されている鐘は、「弁慶の引き摺り鐘」と呼ばれており、三井寺と比叡山延暦寺と争いが起こった際に、弁慶がこの鐘を奪って比叡山に引きずり上げたという伝説が残っています。鐘にはその時のものと思われる傷痕が残っているそうですので、ぜひチェックしてみてくださいね。
三井寺は桜の名所としても知られており、境内には約1,300本の桜が植えられています。
びわ湖南西の長等山中腹に位置するため、大津の街と琵琶湖を一望しながらのお花見を楽しむことができますよ。
見ごろの3月末から4月頭にかけて、夜間特別拝観として境内一円がライトアップされ、ソメイヨシノや山桜、しだれ桜が鮮やかに咲き誇る姿は圧巻。
また、今年から境内の観月舞台にアクリル板が設置され、幻想的な夜桜のリフレクションフォトが撮れるようになっため、SNSで大変話題になっています。
桜の見どころスポットは三井寺近くにもうひとつあります。
三井寺近くには琵琶湖疎水があり、その疎水沿いにはソメイヨシノが約200本の桜が植えられておりこちらも桜の名所として知られています。三井寺のライトアップを楽しんだら、ぜひこちらにも足を延ばして、ロマンチックな夜桜を一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。